BGMは勉強のジャマ
音楽を聴きながら勉強される方は多いと思いますが、科学的には間違った方法だそうです。
グラスゴー・カレドニアン大学の実験では、被験者を4種類の部屋に入るように指示しました。
- テンポの速いBGMが流れている部屋
- ゆったりしたBGMが流れている部屋
- 環境音が流れている(話し声や車のエンジン音など)部屋
- 完全な無音の部屋
その状態で認知テストを行ったところ、BGMを聞きながら回答した被験者は成績が大きくダウンし、能力の低下が見られなかったのは、完全に無音の状況で問題に取り組んだグループだけでした。
どんなに好きな曲を聴いてもテストの成績は下がるため、勉強中は無音がベストです。
BGMは脳の負担になる
専門的には「無関連音効果」といいます。
目の前の作業とは関連がない音が耳に入ると、脳はそちらの方へ引き寄せられ、メロディやリズムのパターンを理解しようと頑張り始めます。
脳は2つの情報を同時に理解しなければならず、負担が増えて学習の能力が下がってしまう訳です。
そう言われても「BGMで勉強が進んだ」体験をしたことがある人は少なくないはずです。
好きな曲を聴くと、ドーパミンやアドレナリンがテンションを上げてポジティブな気分に変えてくれますが、あくまで気分が良くなっただけ。
前向きな感情になったせいで、作業効率まで上がったように勘違いしてしまうのです。
自然音は脳の注意力を上げる
大きな例外があり、風の音や鳥の鳴き声の「自然音」は逆に注意力は上がるそうです。
実験では、自然音を聴いた被験者はリラクゼーション反応が起き、集中力テストの成績も上がったそうです。
自然音はリラックスと興奮のシステムに同時に働きかけ、人間にとって程よい集中力を保つのに役立ちます。
学習効率が上がる音楽の使い方
イギリスのウェールズ大学が編み出した、
「ミュージック・ウォームアップ・テクニック」
という、音楽を使って学習効率を上げる方法があります。
- 勉強の10分前までに好きな曲を弾く
- 音楽を止めて勉強を始める
- 勉強の休憩中にまた好きな曲を弾く
2〜3のくり返しで学習を進めれば、音楽のメリットを最大限に活かせます。
勉強の直前まで好きな曲を聴いたせいで気分がポジティブになり、その勢いを保ったまま作業に取り組めるからです。
勉強中は「無音」や「自然音」で、好きな音楽は勉強前や勉強の合間に聴いてみてください🎶
参考書籍